2018年1月30日 (火)
情とか敬意とか
テレビ東京がときどき特番でやる「池の水をぜんぶ抜く」が話題です。同じ枠のNHKの大河ドラマの視聴率を抜くことがあります。
前例のない番組がどうやって登場したのか、業界人はビックリしています。
前例のない企画は通りません。「保険は何だ?」と問われます。それは出演者であったり脚本家であったり、ある程度、視聴率が見込めないと企画会議を通過しません。
「池の水を抜いて、どこが面白いのだ?」
「2時間、もつのか?」
必ず問われる質問に答えられないから、よく通ったなぁ、と業界人は驚きを抱いています。
ボクらの時代には、データがないから「情」が通じました。
「お前がそんなに言うのなら、やってみろ」
「池も水をぜんぶ抜く」も、きっと、あの枠は何をやってもダメだから、それほどお前が言うのなら、やってみろ的な決断があっただろうと思います。
前例とデータに頼っていると、面白い番組は現れません。
UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の事務局長だった緒方貞子さんの記者会見で「人間にとって一番大切なことはなんですか?」と記者が質問した事があります。
緒方さんは“Respect”(敬意) ですと答えられました。
卓球の天才少年・張本智和くんの“ちょれーい”について、作家の伊集院静さんが次のように書いています。
「なぜ、勝つ度に必要以上に喜ぶなというかというと、それは将来、敗れる時を多く経験する日が来ることと、もう1点、こちらの方が大事なことだが、敗れた相手への敬意を失っているからである。」
あの雄叫びは、相手への威嚇になるなぁ、自分が勝ちさえすればいいのか、 ちょっとみっともないなぁ、と思っていました。
「敬意」という事を教えるのも、コーチの任務ではないだろうか?
| 固定リンク
コメントを書く
コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。
コメント